ERPC、シカゴデータセンター10Gbps高速通信を正式稼働。Solana 専用線完備の米国中枢拠点として東西間通信を最適化

ERPC、シカゴデータセンター10Gbps高速通信を正式稼働。Solana 専用線完備の米国中枢拠点として東西間通信を最適化

2025.11.07
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO は、ERPC シカゴ(Chicago)データセンターにおける施設メンテナンスを完了し、全サーバーで 10Gbps 高速通信を正式に稼働開始しました。
米国中西部から東西海岸にかけての通信効率が大幅に向上し、Solana 専用線 DoubleZero と直結する中枢拠点としての機能を強化しています。

シカゴリージョンの戦略的位置と意義

シカゴは米国中西部に位置し、東海岸と西海岸を結ぶ中継拠点として機能します。地理的に両海岸の中間にあるため、全米のネットワークを最短経路で結ぶハブとして重要であり、東西いずれの拠点にも効率的に接続できます。
今回の 10Gbps 化により、ピーク時でも安定した応答を維持しやすい高耐性の環境が整いました。北米のトラフィックを中継・統合する中心拠点として、グローバル全体の通信品質向上にも寄与します。

DoubleZero 専用線による東西高速直通ルート

CHI–SLC–LAX 100Gbps
シカゴ(CHI)データセンターは、Solana 専用線ネットワーク「DoubleZero」を通じて、ソルトレイクシティ(SLC)およびロサンゼルス(LAX)と 100Gbps 専用線で直結しています。
一般的なインターネット経路で発生する経路変更や混雑の影響を抑え、東西間で低レイテンシかつ安定したデータ伝送が可能です。
また、東海岸のニューヨーク方面とも主要ネットワークを介して高速接続を維持しており、米国内にとどまらず、グローバル全体の通信効率にも好影響を与えます。

技術アップグレードの詳細

今回のアップグレードでは、ネットワーク帯域を全面的に 10Gbps へ統一しました。ping ベースの自動ルーティングにより実測レイテンシを常時監視し、最短経路を動的に選択。さらに nftables による防御ロジックを強化し、異常通信や過負荷を自動で遮断することで、全体の安定性を高めています。
  • 全サーバーを 10Gbps 帯域へ統一
  • 実測レイテンシに基づく動的ルーティング
  • nftables によるリアルタイム防御・異常遮断
  • RPC・gRPC・Shredstream の帯域上限を更新
  • 同時多接続時のスループットと応答安定性を向上
帯域拡張により、リアルタイムのマルチキャスト通信能力も向上しました。同時により多くのデータを、より多くのプロジェクトおよび開発者へ効率的に配信できます。

利用者へのメリット

  • 全サービスが 10Gbps 帯域で提供(既存価格は据え置き)
  • 高負荷時でも安定した通信を維持
  • DoubleZero 経由で経路変動やパケット損失を抑制
  • 北米を含むグローバル全体で通信効率と応答性能が向上

Solana RPC Bundle プラン

Bundle Plan
Bundle プランは、HTTP・WebSocket・gRPC・Shredstream を統合的に利用できる構成です。
既存の RPC から Shredstream への移行や並行運用を柔軟に行え、既存アプリケーションをそのまま高性能化できます。
gRPC はフィルター制限なしで Devnet / Testnet にも対応し、開発から本番運用までを一貫してサポートします。

シカゴリージョンの EPYC VPS(同一ネットワーク内)

VPS Performance Update
シカゴリージョンでは、Solana 向けに最適化した EPYC VPS も同一ネットワーク内で提供しています。
エンドポイントに近接配置することで、RPC・gRPC・Shredstream 間の往復遅延を抑え、レイテンシのばらつきを低減できます。
10Gbps 統一により、VPS 環境でも高頻度アクセスや同時多配信への対応力が高まり、検証から本番まで一貫した環境でスケールできます。

導入・サポート

導入や移行のご相談は Validators DAO 公式 Discord にて受け付けています。

今後の展開

ERPC は、既存データセンターの増強に加え、グローバルのエッジ拠点拡充を継続します。
ユーザーとエンドポイントの距離を最適化し、世界中のプロジェクトおよび開発者が常に最短経路で通信できる環境を整備してまいります。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私たちは、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。
その知見を基盤として ERPC や SLV を提供し、開発者の皆様が最適なインフラを選べる環境を整えています。
今後も、Solana ネットワークの進化とともに変化するニーズに柔軟に対応し、エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献してまいります。
ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。